限度額いっぱい借りるのは邪道!正しい増額のやり方はこれ!
カードローンの契約をすると利用限度額が決められます。最初は限度額は低くて金利は高いのは常識です。でも時期が来れば増額できます。増額すれば間違いなく金利は下がります。その為の方法を簡単にまとめました。
下記の表は大手消費者金融会社のアコムのカードローンの基本スペック(仕様)です。アコムの場合は500万円が最大です。でも最初から500万円という大きな利用限度額はつきません。最初は個人的な信用がないからです。利用限度額は階段を上がるように段階的に上がって行きます。
・アコムの利用限度額は最大で500万円
会社名 | 年利率 | 利用限度額 |
---|---|---|
アコム | 年4.7%~年18.0% | 500万円 |
カードローンの利用限度額は契約前の審査で決まります。カードローン会社はお客様の返済能力と個人的な信用度を審査して最少のリスクで契約条件を設定します。その為、最初は利用限度額を少なく、金利を一番高い金利に設定するのが契約開始時の条件になります。
上記のアコムの例で言うと審査で信用情報に問題がない場合でも最初の利用限度額は30万円~50万円くらいの限度額で金利は年18%という契約内容になるのが普通です。もし借金などがあると審査に合格しても、さらに利用限度額が少なくなります。
増額すると金利は安くなる!
最初の利用限度額が低いからといって取引が始まってすぐに増額する事は出来ません。取引期間がある程度以上無いと取引実績は上がりません。取引実績というのは具体的には返済実績の事です。だからまずキャッシングして約定返済日までに返済する実績を積まないといけません。
約定返済日というのは契約の時に決められた月々の返済日の事です。約定返済日より早く返済するのは、いつ返済してもいいというのがカードローンの返済の特徴です。この約定返済日より前に返済する事を「繰り上げ返済」と言います。
増額するとどれくらい得?
増額すると、どれくらい得をするのか実際に計算をしてみましょう。下記の貸付利率は三菱東京UFJ銀行のカードローン、バンクイックの貸付利率です。この貸付利率は利息制限法に基づいてそれぞれの会社が独自に定める事ができます。
利用限度額 | 500万円 | 400万円超~500万円未満 | 300万円超~400万円以下 | 250万円超~300万円以下 |
---|---|---|---|---|
利率 | 年4.6% | 年5.6% | 年6.1% | 年7.1% |
200万円超~250万円以下 | 150万円超~200万円以下 | 100万円超~150万円以下 | 50万円超~100万円以下 | 10万円以上50万円以下 |
年8.1% | 年9.6% | 年11.6% | 年12.6% | 年14.6% |
この表を参考にして、最初の契約で利用限度額50万円、貸付利率が14.6%で契約したとします。そして30万円借りて1カ月後に払う利息を計算して見ます。30日間の利用で利息は3,600円になります。
・利用限度額30万円で金利が14.6%
元金(30万円)×利率(14.6%)÷365×借りた日数(30日)=3,600円
では、もし利用限度額が100万円だったらどうでしょうか?この場合、バンクイックの貸付利率で言うと12.6%の利息になります。たった1段階の増額だけで2%も利息が安くなります。
・利用限度額が100万円で金利が12.6%
元金(30万円)×利率(12.6%)÷365×借りた日数(30日)=3,107円
そして利用限度額が150万円になると、実質金利は最初の契約時より3%下がります。最初にカードローンを利用しようとする時に、どこのカードローン会社にしようか考える時の3%の金利の違いは大きな金利の違いです。だとすれば増額によって3%利息が下がるのも大きな意味があるはずです。
増額の為の目的は?
増額の為のコツとして限度額一杯借りると増額に有利という考え方もあるようですが、その考え方は邪道です。本当にお金を必要として結果的にそうなったのならやむを得ないでしょうが増額の為にお金を借りるという発想が含まれている事には大きな疑問を感じます。
増額の為の条件
増額の為の条件は3つあります。
・良好な取引実績が半年以上ある事
・他社からの借入をしていない事
・登録情報の変更手続きをきちんとしている事
良好な取引実績がある事!
増額を可能にする為には最低でも半年以上の良好な取引実績が必要です。カードローンはクレジットカードのように一カ月ごとの取引明細書が送られて来る事はありません。その場合はホームページの会員専用ページにログインすれば取引実績をパソコンの画面上で確認する事ができます。
また確認しなくても半年以上返済の遅延がなくて約定返済日ごとに、きちんと返済を続けていれば良好な取引実績が残っているはずです。実際に返済遅延があればカードローン会社の担当者から返済が遅れています。という電話が掛かって来ているはずです。だから何事もなく返済を続けて半年以上経過してれば取引実績は良好です。
他社からの借入はダメ!
契約しているカードローン会社以外の、別の会社からお金を借りていると増額は難しくなります。他社からの借入件数が多い場合、借入金額が多い場合は増額の申し込みをしても応じてはくれないでしょう。増額の為の審査もあります。借入金があると増額の為の審査を通るのは難しいです。
(⇒限度額を上げるにはどうしたらいい?)
登録情報に変更がないかチェック!
契約時に登録したご自分の登録情報に、もし変更があればすぐに登録情報の変更手続きをしなければいけません。特に住所、連絡先の携帯電話番号、勤務先、雇用形態の変更などの、連絡用の情報と収入に関する情報に変更がないかどうかチェックしてください。
登録情報の変更があったのに連絡をしていない場合、そのまま増額の申し込みをしまうと審査に大きな影響が出ます。カードローン会社は、お客様の所在を確認できない状況や連絡が取れない状況を嫌います。必ず変更手続をして申し込みをしましょう。
増額する為の方法
契約後に良好な取引を続けていたらカードローン契約をしている会社の担当者から増額の案内が来る場合があります。会社の方から増額の案内が来る場合は、取引実績や信用情報を確認して、増額可能と判断してから案内が来ますから、すでに審査が終わっている場合が多いです。
そういう場合は、すぐに手続きができます。同じようにホームページの会員専用ページに増額の案内が来る会社もあります。会社によっても多少用語は違いますが例えば「増額可能」という風にメニュー表示される場合は増額の為の審査が終わっていますから画面上で増額の手続きが可能になります。
個人で申し込みも可能
増額の案内が来なくてもお客様の方から増額の申し込みができます。増額の為の条件を満たしている場合はコールセンターに連絡して増額の申し込みができます。その際に消費者金融会社の場合は年収の3分の1以上は借りられないという事も知っておいてください。
最初に借りる時は利用限度額は誰でも低めに抑えられますが、増額になると年収の少ない人は厳しくなります。特にアルバイト・パートなど年収の低い方は増額は厳しいです。ご自分の年収も考えたうえで可能であれば増額の申し込みをしましょう。
増額に必要な書類
増額を希望した場合は通常、増額の為の審査が行われます。その場合に収入を証明する用紙などが必要になります。カードローンに最初に申し込む時を同じようなものだと思っていただければいいです。源泉徴収票、給与明細書などの書類が必要です。
また状況によってはそれ以外の書類の提出が求められる場合もありますが、通常は収入証明書の提出だけで増額の為の審査を受ける事ができます。また、増額の為の審査は二日程度かかると言われています。収入証明書などは早めに準備しておいた方がいいでしょう。
増額は有効活用の手段
最初の利用限度額を借りられなくなるくらいまで借りて増額するのは、単に借金が増えているだけです。その場合は利用限度額が増えて金利が安くなっても返済金額も増えて行きますから増額のメリットはそれほどありません。
増額のメリットは利用限度額に余裕のある時に増額をすると発生します。そうすれば金利が安くなった分だけ、返済に余裕が生まれます。増額によって発生した利益を繰り上げ返済に充当できれば、カードローンのしくみを上手に利用している事になります。それが理想的な活用方法と言えます。
【参考ページはこちら】
転職後のカードローン、限度額下がる?