審査の前後に転職するとカードローンの利用にどう影響するのか?
企業に勤めていればさまざまな理由から退職して新たな企業へ転職してしまう可能性は少なくないでしょう。そうした転職がカードローンの利用に少なからず影響しているといわれています。
カードローンに申し込むと審査を受けることになりますが、その審査では転職がその評価で問題になることがあるのです。
一般的には転職してあまり期間が経っていないと評価が悪くなり、最悪審査に通ることができなくなることもあるようです。それでは審査が通りローンと契約してから転職した場合はどうなるのでしょうか。
そこで今回は転職がカードローンの利用にどう影響するのか、審査前と後では影響の仕方に違いがあるのか、といった転職とカードローンの利用の関係について紹介していくことにしましょう。
審査前の転職の影響
ここではカードローンの審査前の転職とその評価・判定との関係についてみていきます。審査前のいつに転職すると審査がどう変わるのか、転職するとどのような評価になってしまうのか、といった審査前の転職が審査の判定にどう影響するのかを確認していきましょう。
審査前の転職に対する評価
貸金業者やその保証会社はカードローンの審査で申請者の返済能力を判断する場合に、職業や勤務先とともに勤続年数も重要な評価要素として認識しているといわれています。
審査の評価の根本は返済してもらえる信用がどの程度あるのか、返済できる能力がどの程度あるのか、という点なりますが、勤続年数の評価は後者の対象となっているようですね。
したがって、カードローンの審査を受ける前の転職は審査では一般的には不利になりやすいとみられています。さまざまな理由で転職を余儀なくされることもあるでしょうが、ローンの審査のことだけを考えれば審査前の転職はオススメできないでしょうね。
審査前の時期による評価
審査前の転職が審査で不利になりやすいわけですが、その転職の時期によって審査の評価も分かれるといわれています。
もちろん各ローン事業者には各々の審査基準があるので、審査前の転職が評価にどの程度影響し、どれくらいの期間で影響するかは各事業者で異なります。しかし、業界では一般的に転職後1年以内で審査を受けると大きなマイナス評価になりやすいとみられています。
特に審査が厳しいといわれる銀行などの金融機関のカードローンでは消費者金融よりも厳しい判定が下される恐れがあるでしょう。(こちらもご参考に→審査が緩いカードローンもある?)
さらに転職後半年以内での審査になってくると、金融機関だけではなく大手消費者金融などでの評価もかなり厳しくなることが予想されます。信用力や年収などの評価も加えられて最終的な判定が出るわけですが、より一層不利な結果になる可能性がありますね。
最悪のケースでは「転職後半年以内」という内容だけで審査に落ちることも考えられるため、転職の時期やローンへの申し込みの時期についても十分に検討しておかねばならないのではないでしょうか。
審査前でも評価が変わる転職内容
審査前の転職は一般的には不利に働きそうですが、100%不利なるとは限らずその転職の内容によっては有利に働くことも考えられるのです。
もちろん転職後半年以内というほど短い場合は厳しいですが、零細企業・中小企業から大企業への転職や中小企業から役所への転職などでは評価が逆によくなるかもしれません。
評価は「より安定した収入が得られること」に基準が置かれているため、勤続年数が多少短くてもより安定した企業、より多くの収入が得られる企業、倒産する心配のない役所などへの転職は今まで以上の評価を得られる可能性があります。
特に公務員に対する評価は金融機関をはじめどのローン事業者でもよい評価が下されるとみられているので、役所への転職は生活の安定だけでなくカードローンの利用においてもよい効果が得られるかもしれませんね。
(⇒職業別利用しやすいカードローンは?)
審査前の注意したい転職
公務員や大企業への転職なら審査でも有利になるケースがあることを先ほど確認しましたが、逆に公務員から民間企業への転職、大企業から中小企業への転職などは一層不利になるでしょう。
特に小規模なベンチャー企業への転職や自分で起業するケースではかなり評価が悪くなる恐れがあります。とりわけ独立して個人事業主となるようケースでは創業後1年以内でのローンの利用は非常に厳しくなることが予想されます。
自分の夢を実現するために起業していくことはとても価値のあることでしょうが、独立後のお金の工面で苦労しないためには起業前にカードローンなどと契約しておくほうがよいのではないでしょうか。
転職後の審査に通るためには
やむを得ずカードローンに契約する前に転職するようなケースもあるでしょう。そうした場合に少しでも審査で不利にならないようしないとローンの利用が難しくなるでしょう。そのためできるだけ審査に通りやすいローンを選ぶことが重要になりますね。
ここではそうした転職後の審査で成功するためのポイントを確認することにしましょう。
転職の影響を軽減できるか?
大企業や役所などへの転職を除けば転職そのものは審査で不利に働く可能性が高くなりますが、その転職の影響を多少なりとも軽減する方法はあります。
転職によって年収がアップしていることも重要ですが、日々の業務で残業を積極的に行ったり、難易度の高い職務に就いたりすれば収入を増やすことができローンの審査での評価を高めることもできるのではないでしょうか。
現状の業務や将来に必要な技術や資格などを保有できるようにしていけば給料もアップできるかもしれないので、新たな知識やスキルをどんどん身に着けていくと結果的にローン審査にも良い影響をもたらすかもしれませんね。
審査に通るには多くを望まない
やはり転職後のローン審査は厳しいことには変わりがないので、あまり欲張って多額の融資を希望しないほうが無難といえるでしょう。
審査が不利になるのにその状況を無視して、転職前の状況と同じ感覚で審査に臨むと失敗する可能性が高くなります。例えば、転職前なら30万円の融資が受けられていたとしても転職後は10万円までしか受けられないということもあり得るのです。
もちろんどうしても借りたい金額があれば別ですが、そうでなければやや低めの融資限度額で申請してみてはどうでしょうか。信用面や年収の内容にもよりますが、勤続年数が数年以上の一般的な申込者よりも低めに設定しておくほうが審査に通る可能性は高まるでしょう。
具体的にどのくらい低めにしたらよいか判断することは困難ですが、ダメもとでローン事業者に相談するのがよいでしょう。明確な回答は得られないでしょうが、何らかのヒントを得られる可能性もあるので相談する価値はあるのではないでしょうか。
審査に通りやすいローン
転職後の審査に通るためには審査が甘いローン、通りやすいローンを選ぶことが最も重要といえるかもしれません。
転職に関する評価も含めてどのローンの審査が甘いかを断定することは難しいですが、ネットなどでの利用者の口コミやカードローン情報サイトでの評価情報などが参考になるでしょう。
例えば、貸金業者のグループ別で審査の難易度を考えた場合、中小消費者金融>大手消費者金融>大手信販会社>金融機関 といった順番で審査は甘いとみられています。
金融機関でも利用者を増やしたいネットバンクや三菱東京UFJ銀行などの大手都市銀行の一部には審査が甘いといわれるところもあります。
大手消費者金融ではアコムとアイフルが新規契約率(2014年3月時点)で上位にあるので大手では審査は甘いといえるかもしれません。
中小の消費者金融は業界でも最も審査が甘いといわれていますが、その中にはいわゆる金融ブラックにも対応しているほど審査の甘い業者も存在しているのです。
ただし、審査の甘さに反比例して金利や融資限度額などの借入条件が悪くなるので注意が必要です。いくら審査に合格できても許容できないほどの金利なら借りないほうがよいかもしれません。
また、納得できる金利でも希望する融資額よりも少なければ利用価値は低いといえるでしょう。そのためあまり審査に通ることを優先させて安易に自分が希望する借入条件のレベルを下げ過ぎないように心がけるべきです。
ローンの選定にあたっては希望の借入条件を3段階ほど設定しておきそれに見合うローンを1社ずつ選ぶというのではどうでしょうか。例えば、第一希望は三菱東京UFJ銀行、第二はアコム、第三はノーローン(シンキ株式会社)といった設定で考えてはどうでしょうか。
表1:ローンの借入条件
ローン | 金利 | 融資限度額 | 審査時間 | 即日融資 |
---|---|---|---|---|
三菱東京UFJ銀行 | 4.6%~ 14.6% |
~500万円 | 最短30分 | 可能 |
アコム | 4.7%~ 18.0% |
~500万円 | 最短30分 | 可能 |
シンキ | 13.0%~18.0% | ~300万円 | 最短即日回答 | 可能 |
キャネット | 15.0%~20.0% | ~300万円 | 最短即日回答 | 店頭は当日融資可能、 その他は3~7日ほど |
審査後の転職の影響
ここからは審査を通過して無事カードローンが利用できるようになってから転職した場合の影響をみていきます。
ローンが利用できるようになってから転職してもそのまま借入れを行うことができるのか、借入条件などが変更することはあるのか、再度審査を受ける必要があるのか、など審査後の転職とローンの関係を確認していきましょう。
契約後の転職はどう影響するのか
カードローンの審査が終わり契約してしまえばその後の転職はローンの利用に影響しないものと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まったくないとはいえないのです。
ローンの審査は申込者の信用力と返済能力に対して行われますが、転職は後者の審査に関わるものといえます。転職によって審査した時の状態が変わるわけですので、自ずと評価の内容も変わっても不思議ではないでしょう。
この変化が著しく悪化する場合は借入条件の変更や最悪利用停止ということもないとはいえないのです。もちろん利用停止という可能性はかなり低いでしょうが、融資限度額と適用金利が変更される可能性は十分にあると考えておいたほうがよいでしょうね。
例えば、転職前の融資限度額が50万円で適用金利が16%であったとしても転職後には限度額が30万円、金利が18%に変更されることもあるわけです。
このように契約後であっても転職を行えばローンの利用に影響して不利な条件となる可能性もあるので、転職の時期を踏まえてローンの返済を早めに済ませるようにしたいですね。
既に借入れした利用分については変更前の条件で扱われるケースが多いと思われますが、念のため事前にどのように扱われるかを確認しておきましょう。
転職はローン側にどう伝わるのか
ローン事業者によって異なりますが、転職して勤務先が変わったり無職になったりするような事態に利用者がなった場合、その報告を利用者に義務付けているローンは少なくないでしょう。
いつ報告するかも事業者によって異なるでしょうが、一般的には変更があった時点や契約の更新時にその報告が求められているようですね。そのため利用者はそのルールにしたがって転職の内容をローン側に連絡しなければならないのです。
その報告によって借入条件が変更され不利な条件となってしまうこともあります。そのため転職したことを隠したままローンの利用を継続しようとする方もおられるようですが、途中でその転職の事実が発覚するとローンからの信頼を失うことになりかねません。
その結果、厳しい借入条件に変更させられたり、その後の限度額の増額申請がなかなか承認されなかったりといった影響が出てくる可能性がでてきます。年収の変更の報告も同様ですが、更新時期の申告などで正直に連絡しておいたほうがよいのではないでしょうか。
転職後の再審査はあるのか
転職の報告をしたがらない理由として再度の審査を挙げる方もおられるようです。契約時のように審査項目に回答し本人確認書類の提出や在籍確認などの手続きを再度行うのが面倒なので、転職の事実を知らせたくないと思われる方もいるようですね。
ローン事業者は転職の事実の報告を受けると再度審査を行いますが、多くの場合主にローン側の審査や調査だけなので利用者が審査で時間が取られるようなことは少ないでしょう。手間がかかるとしたら給料明細書の提出が求められる程度ではないでしょうか。
転職してから1年以内なら給料明細書、1年を経過していたら源泉徴収票などが求められるかもしれないので直ぐに提出できるように保管しておきたいですね。
在籍確認に関してはローン事業者によって対応が異なるでしょうが、転職先への在籍確認はあまり行われていないようです。契約後に転職の可能性があるなら事前にどのような審査や確認行為があるのかを確かめておいたほうがよいかもしれませんね。
(⇒在籍確認なしで借りられるカードローンもある?)
契約後の転職の影響を軽くする
カードローンとの契約後に転職すればその状況により金利や融資限度額などの条件が変更されるかもしれません。
利用者としては仕方がないことといえるかもしれませんが、ケースによってはその変更や影響の度合いを軽減できることもあります。ここではその軽減方法を確認していくことにします。
将来の転職を見据えたローン選択
転職によって不利な借入条件へ変更させられる可能性が出てきますが、その影響を可能な限り小さく抑えるためには契約を結ぶカードローンの選択が当然重要となるでしょう。
契約後の転職が借入条件の変更にどれだけ作用するかはローン事業者によって異なると考えられるため希望するローン事業者へ事前にその点を確認しておくべきです。
契約後どれくらいの期間で転職すれば借入条件に影響するのかしないのか、影響する場合はどの程度金利や限度額が変わるのか、といった点を問い合わせてみるとよいでしょう。
もちろんはっきりとした回答はもらえないかもしれませんが、転職に対するローンの考え方などが掴めるかもしれません。契約後の転職を重要視しているか、それともあまり重く見ていないか程度の感触を得られることもあるでしょう。
数社以上そうした問い合わせをすればどのローンが転職を重視し、どのローンがあまり重視していないかの差を見出すことができるかもしれませんよ。
条件の変更に対する抵抗
出来るだけ転職の影響が小さいローンを選ぶことが重要ですが、それでも上手く選べるとは限らないでしょう。そうした場合に転職により借入条件が変更されるとしても利用者としてはできるだけ抵抗してみる努力は必要かもしれません。
つまり、条件が変更される場合でもいわれるままに変更を納得するのではなく少しでも条件の悪化を喰いとめるための交渉をするのです。どの程度話を聞いてくれるかはそのローン次第ですが、面談や電話での相談に熱心な事業者も少なくありません。
銀行などの金融機関でも個別の対応に力を入れているところもあるので相談してみるとよいでしょう。特に地域に密着した金融サービスに特化している地方銀行や信用金庫の中にはそうした対応で期待できるところもあるのではないでしょうか。
交渉にあたっては自分の希望を主張するだけではなく少しでも変更の度合いを小さくする方向で進めるのがよいでしょう。例えば、限度額が50万円から20万円に変更される場合、50万円にこだわらず30万円や35万円あたりで交渉してみるのです。
もともと交渉自体が難しいので高望みをしても成果を得られる可能性は低いので、少しでも軽減できればよしとするのが妥当なところではないでしょうか。
条件のよい転職を目指す
審査前の転職のところで説明しましたが、現在の勤務先と収入の状況よりも転職後の内容のほうがよければ現状の借入条件が悪化するのを防げる可能性はあります。
例えば、民間の企業から役所へ、小規模企業から上場しているような大企業へ転職し、さらに年収がアップするようなケースでは借入条件の変更はみおくられる可能性が出てきます。
もちろん現状よりも良い条件の企業に転職することは容易ではないので、規模はともなく収入が少しでもアップできる企業に転職したいものですね。
もし大企業などの条件の良い企業に転職できれば比較的短い期間を経過した後に融資限度額の増額も期待できるかもしれません。転職時点での増額は難しいでしょうが、半年や1年程度経過すれば増額のチャンスは十分にあるでしょう。
その期間内に適度な借入れと返済を行って実績をつくり、信用事故を起こさないことが条件となりますが、注意して利用していればそれほど難しいことではないので増額の意思があるなら申し込んでみてはどうでしょうか。
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転職直後でもカードローンは利用できる?