ホントに取れる?ココなら取れる!の実現に必要な基礎知識
新たな借入先を探したいけど、既に何社からも借りている。そんな状況でクチコミや広告で柔軟審査をしてくれそうな中小の消費者金融を見つけたら、「ココなら取れる!」と思うのは当然の心理です。
では、その心理が果たして実現可能なのか。冷静に自分の借り入れ状況を分析することが求められます。
典型的な複数借り入れのパターン
まず、「ココなら取れる!」と考える前に複数の業者から借り入れをする典型的なパターン(順番)をご紹介します。その上で、「ココなら取れる!」と思った所が本当に契約可能かどうかも考えていきましょう。
誰でも最初は1件目の契約から
本当に当たり前のことなのですが、誰でも最初にローンを組むときは、どこからでも借りれる有利な状況にあります。そして、そんな状況の中から金利や利便性の有利な物を選択し、1件目の契約をしているでしょう。
既に借入があるというハンデ
銀行にしても大手消費者金融にしても、既にある程度の借り入れをしている人に対しては審査の目が厳しくなっていきます。「これ以上貸しても大丈夫なのか?」という視点が加わると書いた方が解りやすいでしょうか。
このハンデが、実際の審査落ちや、ネットなどのクチコミを読んで不安になったりする原因となり、人間の心理として審査の甘い所を探す行動に移っていきます。(こちらもご参考に→どうしても審査の甘いカードローンが使いたい場合)
ココなら取れると考える所は?
では、具体的に「審査の甘い所=ココなら契約が取れると思う所」はどういう所だと思いますか?多くの方は次のようなイメージを描くのではないでしょうか。
- 大手や銀行は審査が厳しい
- 中小の消費者金融は顧客数が少ないから新規顧客を探している
- 広告を見ても、中小の方が柔軟に審査をしてくれそうだ
- もう断られたくないから、審査の柔軟な中小の消費者金融を狙おう
この心理が働くのは、実際にそういう傾向もあるからなんです。大手消費者金融や銀行は、黙っていても沢山の申し込みがあって、その中には昔の自分のようにどこからも借り入れが無い人も大勢いる。だから、複数の借り入れには厳しくしても平気なんだろう、と。
ならば、中小で比較的顧客数も多くない所なら、複数借り入れがある自分でも歓迎してくれるのではないか。そうだ、ココなら取れるに違いない!という考えに流れていきます。
キャッチコピーの影響
また、銀行や大手消費者金融のカードローンは「パート・アルバイトでもOK」というフレーズは使っても、「他社で断られた方、債務整理中の方でもご相談ください」とは言いません。
一方、中小の消費者金融にはこの「他社で断られた方、債務整理中の方でもお気軽にご相談ください」がドーン!と目に付くように配置された広告を打ち出している所も多く、「そうか!ココなら審査に通れる!」と判断する材料になってもいます。
貸したくても貸せない状況を知る
銀行や大手では審査に通れないから、中小を選択するという流れは理解できたと思いますが、必ずしも契約が取れるとは限りません。そこには「貸したくても貸せない事情」が発生している可能性があるからです。
貸せる限度額を超えている
ご存知の方も多いでしょうが、消費者金融から借りる事ができる金額には上限の規制がかけられています。これを『総量規制』というのですが、それが原因で審査落ちする可能性もあります。
『総量規制』をざっくり説明すると…
ということです。では、「業界」とは具体的にどこの会社を指し、どんな借り入れが対象になるのかを見ていきます。
総量規制の対象となる業界
お金を貸す、ローンを組む。このサービスを展開しているのは、銀行や消費者金融だけではありません。しかし、それらを全て覚える必要もありません。総量規制の対象となる業界は、「銀行など金融機関以外の貸金業者すべて」だからです。
つまり、通常のカードローンやフリーローンは、銀行や信用金庫などといった金融機関以外から借りていればすべて総量規制の対象になると考えていいことになります。解りやすく数字で説明すると…。
借入先 | 総量規制対象額 | 総量規制非対象額 |
---|---|---|
銀行カードローン100万円 消費者金融カードローン50万円 クレジットカードのキャッシング枠30万円 |
80万円 (消費者金融とクレジットカードの分) |
100万円 (銀行の分) |
信用金庫カードローン50万円 消費者金融カードローン100万円 |
100万円 (消費者金融の分) |
50万円 (信用金庫の分) |
となります。年収が300万円の人ならば、総量規制の上限は100万円(300万×1/3)ですから、上の行だと規制上限まで残り20万円。下の行になると規制上限一杯まで借りてしまっている計算になります。
因みに、「借り換えローン」「一本化専用ローン」といった、返済に重点を置いたローンは、銀行以外のものでも総量規制の対象にはなりません。年収300万円の人が消費者金融から150万円(年収の半分)の「借り換えローン」を利用しても問題ない事になっています。
中小消費者金融も貸せないケース
上の文中で、年収300万円の人は表の下の行だと総量規制一杯まで借りてしまっていると書きましたが、こうなるとどんなに審査が柔軟な中小の消費者金融でも貸すに貸せない状態になっています。
正規の業者であれば、総量規制という法律の枠を超えた融資はできませんから、「ココなら!」と思っていてもダメだということです。本当に「ココなら取れる!」と判断するには、自分の借り入れ状況をしっかり把握していることが大前提だとも言えますね。
自分の現状に合わせた申込みを
クチコミや実際の審査落ちで「より審査の甘い所なら…」と考え、中小消費者金融に的を定めてみたものの、総量規制の上限でそこでは借りる事ができない。こうなると選択肢はかなり限られたものになっていきます。
借り換えOKなローンに乗り換える
最近は銀行でも消費者金融でも、「他社からの借り換えOK」なカードローンやおまとめ専用ローンを取り扱っています。どうしても融資が必要ならば、今の債務もひっくるめて金融機関のローンか、借り換えローンへの乗り換えも視野に入れてはいかがでしょう。
もちろん、いきなり申込むのは不安でしょうから、「申し込みではなく、相談をする」という形から入っていくのがお勧めです。相談内容も、切羽詰ったものではなく、より有利な所への借り換えを検討していることを前面に押し出すと効果的でしょう。
「そちらの金利や利用のしやすさが気に入っているので、他社の分もまとめさせてもらうことはできますか?」くらいの気持ちで相談をする。もし可能なら申し込みたいのですが、見込みが無ければ他を当たりたいんですよね…くらい踏み込んでもいいでしょう。
(⇒カードローン金利についてもっと詳しく!)
もちろん審査はあり、相談=即決とはいきませんが、見込みがある印象を受けたなら、ココこそ取れる!と判断して申込みをしてみるのもいいでしょう。
総量規制の範囲内で少額融資も
規制上限一杯まで利用していたら不可能ですが、まだ余裕があるのであれば、その範囲内で必要最小限の少額融資を狙うのもアリでしょう。それは中小の消費者金融もウエルカムでしょうから、本当の必要額だけを借りる姿勢で臨まれるといいでしょう。
複数社からの借り入れというのは、件数が増える度に不利な要因を背負ってしまうことになります。ですから、できることなら件数は少なく、そして、総量規制の対象外であるローンから狙って借りていくことが賢い方法です。