カードローン審査の前、後?在籍確認の時期と上手くやるコツとは
カードローンを利用したことのない方は審査に通ればそれで契約できると思われていることも少なくないのですが、実は審査の後の在籍確認がとても重要なのです。在籍確認はローン側が申込者の勤め先に電話をして本人がそこで働いていることを確認するだけの行為で特に難しいことではないのですが、何らかの理由で確認が取れないと手続きが進まなくなってしまいます。
逆に在籍確認をスムーズに済ませてローンの手続きを早く完了できれば、申し込みしたその日のうちに借入れできることもあります。
そこでこの重要な在籍確認を取り上げ、それがいつ、どのように行われるのか、在籍確認を上手く済ませるためにはどのようなことをすればよいのか、職場の人に気づかれずに済ます方法がないのか、といった点を紹介していきましょう。
申し込みの流れと在籍確認
消費者がカードローンに申し込むと手続きが開始され審査に関連して在籍確認が一般的に行われます。つまり、申込手続や審査の一環として在籍確認がローン事業者によって実施されるわけです。ここでは在籍確認がいつ、何のために、どのように行われるかなどをみていきましょう。
在籍確認とその目的
冒頭で少し説明しましたが、在籍確認は申込者が申告した勤務先に勤めていることをローン事業者が確かめる作業で、ほとんどの事業者が行っています。確認方法としては事業者が電話で確認することが一般的で、レアケースですが別の方法が取られることもあります。
この在籍確認はローン事業者にとってとても大切な作業として考えられています。カードローンは無担保・無保証人でお金を申込者に貸す金融商品ですが、それは申込者がお金を返せるだけの返済力や信用力をもっていることを前提にしています。
いつ在籍確認が行われるか
在籍確認はカードローンの申込手続の中で実施される仮審査(事前審査)や本審査の通過後に通常行われており、その前後で必要な本人確認書類や収入証明証などの資料を提出し在籍確認が無事終了できなければローンと契約できることになります。
つまり、この在籍確認は申込手続の中の欠かせない重要な手続きの一つであるため、誤った対応をとって確認できなかったり悪い印象を与えたりすると契約できないことになるので注意が必要なのです。
審査に関しては、信用情報機関から入手した信用情報に基づいた信用面の審査と、年収、職業、勤務先、勤続年数、家族構成や借入残高・借入件数などの返済能力面の審査が仮審査と本審査という形で行われていますが、ローン事業者によって形式が多少異なります。
タイプとしては主に信用面を中心にした仮審査と返済能力を中心にした本審査というように二段階に分けて行うケースと、二つをほぼ同時(或いは分けずないで)に行うケースなどあり、在籍確認は仮審査と本審査のどちらかの後で一般的に行われているのです。
ローンによって審査の形式が異なるので、気になる方はどのタイミングで在籍確認が行われるかを申し込んだローン事業者へ確認しておいたほうがよいでしょうね。
在籍確認が失敗した場合と影響
在籍確認の主要な方法はローン側が申込者の勤務先へ電話してその在籍を確認するという単純なものですが、確認ができないと判定されるケースがあります。
申込者が会社に不在であっても、「○○はただ今外出しており、・・・」というように電話が会社に繋がり本人が会社に存在していることを確認できれば問題はありません。しかし、会社にかけても誰も電話を取らない(つまり、繋がらない)、電話が別の電話や携帯電話などに転送されるケースでは在籍確認として認められず、契約に進めないこともあるのです。
企業によってはなかなか電話に取れない時間帯や社員が職場にいない日といったケースもあるので在籍確認できないこともあるでしょう。そういった企業の事情や社員が電話を受けられる時間帯などを事前にローン側に伝えておけば、ローン側も理解を示し一定の配慮を行ってくれることが多いので、ためらうことなくローン側へ相談するとよいでしょう。
在籍確認を上手く済ます方法
在籍確認がカードローン事業者にとって重要であることをお話ししましたが、申込者にとっては自分の会社へローン事業者から電話がかけられるため困るなと思う方もいるかもしれませんね。
申込者としてはその電話でローンへの申し込みや利用がばれやしないか、何か不審に思われやしないかと不安を感じてしまうことも少なくないようです。そこで職場の同僚にローンへの申し込みが知られないように在籍確認を上手く済ます方法を紹介することにしましょう。
都合のよい時間帯を知らせる
銀行や大手消費者金融などを含め多くのカードローン事業者の在籍確認では、ローンの担当者が個人名で申込者の勤め先へ電話をかけて行います。そのため申込者本人がその電話に出られない場合でもローン名や事業者名が伝えられることはありません。
したがって、職場の人達にばれる可能性はほとんどないと思われますが、自分が外出して不在での電話対応が心配なら予めかけてほしい日時をローン側へ連絡しておけばそのように対応してもらえるでしょう。最近のローン事業者のサービスは向上しており、こうした要望への対応を積極的に行っているローン事業者が増えてきています。
もしそのような対応を取ってくれないようなローンなら契約先として適切でないかもしれないので、再検討したほうがよいでしょうね。
話す内容などを打ち合わせる
ローン側から電話がかかってくる日時がわかっていてもその電話を申込者自身が受けられるとは限りません。もちろんローン側からは担当者が個人名で電話してくるのでローンからの電話だと直ぐにばれることはないですが、話す内容などによってはローンのことを感づかれたり不審に思われたりすることはあるかもしれませんね。
そうしたことが気になる方はやはりローン側へ相談して話す内容などを事前に打ち合わせておくとよいでしょう。いつ、誰が、どんな内容について、どのような感じで電話をかけてくるのか、などをローン側に確認するとともに心配な部分については申込者の希望を伝えておくべきです。
例えば、誰がいつ電話をかけてくるのか、どういう人物設定になっているのか(家族や友人など)、ローンの内容や契約についての細かい話なのか、どれくらいの時間がかかるのか、などを確認し都合の悪そうな点は希望を伝えできるだけ修正してもらえるようにお願いすればよいのです。
もちろんすべての希望を受けてもらえないかもしれませんが、細かいローン内容を話さないようにする、極力短時間で終了できるようにする、などの要望は聞いてもらえるケースは少なくありません。あまりがめつく多くの要望をお願いするのも適切ではありませんが、以上のような点くらいは伝えても問題はないでしょう。
心配なく気持ちよくカードローンの契約を済ませるためにも在籍確認をスムーズに終了させたいものですね。
電話による在籍確認なしの方法
個人名であっても私的な電話を会社にかけられると困る方も中にはおられます。そうした方は電話以外の方法で在籍確認しているカードローン事業者か、在籍確認そのものがない事業者を探すしかありませんが、後者のケースはほとんどなくあまり期待しないほうがよいかもしれません。
ここでは電話以外の方法で在籍確認しているケースを紹介します。あまり多くありませんが、少しずつ増える可能性もあるので知っておくと今後の参考になりますよ。
電話以外で在籍確認を行うローン
申込者の勤務先に電話することが申込者に嫌がられていることをローン側も理解しており、その中にはその思いに配慮して電話以外の方法で在籍確認を実施しようとする事業者が現われ始めました。その数はまだまだ少ないですが、業界での競争が激化していく中こうしたサービスは差別化に繋がるので今後は少しずつ増えていくかもしれませんね。
申込者にとっては勤務先への電話を心配する必要がなくなるとともに、給料明細書などの資料を事前に用意しておけば在籍確認を短時間で終了させることができ借入れできるまでの時間も短縮できるというメリットがあるので、急ぎの融資を希望している方にもピッタリなサービスといえるのではないでしょうか。
このような方法を採用しているローンとしてモビットを下表で紹介しておきます。
表1:モビット
項目 | 内容 |
---|---|
金利 | 4.8%~18.0% |
利用限度額 | 最高500万円まで |
在籍確認用書類 | ・健康保険証:全国健康保険協会発行の保険証(社会保険)、 または組合保険証 ・給与明細書:直近1カ月分 *二つとも提出が必要 |
書類の提出方法 | ・デジタルカメラやスキャナにより必要書類の画像を取り込み、パソコンから送信する ・スマフォや携帯電話はそのカメラ機能を利用して写真を撮りそれを送信する |
*上記以外にも手続き上、運転免許証かパスポートが本人確認書類として提出しなければなりません。また、利用者の利用額に応じて、源泉徴収票や所得証明書などの収入を証明できる資料の提出が必要となるケースもあります。
*審査結果は原則メールで行われますが、どうしても確認したいことがある場合には電話がかけられることはあります。
相談により電話以外にしてもらう
モビットの場合は原則として電話連絡なしでの在籍確認を行っていますが、業界ではかなりの少数派です。そのため申込者の借入条件に合致し、かつ電話連絡なしのローンを探すことは簡単なことではないでしょう。そのため「電話連絡することがある」としているローンなどに交渉して電話連絡なしにしてもらうことも必要ではないでしょうか。
カードローン事業者のホームページでは電話で在籍確認を行うとしている場合や、電話で確認する場合があるとしている事業者多くいます。実際に電話による在籍確認が実施されることが多いのですが、ネット上の情報の中でローン事業者と交渉して電話以外の方法に変更してもらっている事例が少なからずみられます。
大手消費者金融の中にもそうした情報を確認することができます。勤め先では日中に電話に出られる社員がいない、上司が私的な電話を嫌がる、企業関係者以外の個人の電話を不審に思う雰囲気が社内にある、など電話されると申込者が不利益になるよう理由がある場合には大手でも電話以外の方法で対応してくれることもあるようです。
そうした事例が特別なケースなのか、担当者の独自の判断の結果なのか、要望があれば取られる普通のケースなのかはわかりませんが、可能性はないとはいえないのでダメもとで相談してみてはいかがでしょうか。参考までに大手消費者金融の在籍確認についての内容を下表でまとめておきます。
表2:大手消費者金融の在籍確認
ローン事業者 | 在籍確認に関する実施方法など |
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アコム | 申請者が本人であることの確認と申込内容の確認のために 自宅および勤務先に個人名で連絡する場合がある。 利用者のプライバシーへの配慮として、担当者が個人名で連絡することになっている。 アコム名での連絡はしない |
プロミス(※プロミスはSMBCコンシューマーファイナンスのブランドです。) | 申請者が勤務していることを確認するため、勤務先に電話する。 申請者のプライバシーに配慮して、担当者が個人名で電話をかける。 プロミス名で連絡することはない |
アイフル | 申請者の在籍確認のため、自宅および勤め先へ電話をする。 申請者のプライバシーに配慮し、事前の了承なく電話をかけない。 また、かける場合は担当者が個人名で電話をかける。 *個別の事情などにより、心配な点や不安な点があれば 検討時に担当者への相談を提案している |
在籍確認がないローンを探す
非常に少ないケースですが在籍確認を行わないローンもあります。そこでは在籍確認がないため勤め先への電話確認も原則的に行われません。また、給料明細書などの書類の提出も要求されないため、申請者としては手続き上の負担が大幅に軽減されるでしょう。実際にそれを実施しているセブン銀行の内容を簡単に紹介します。
表3:セブン銀行カードローン
項目 | 内容 |
---|---|
金利 | 15.0%(2014年12月01日現在) |
利用限度額 | 10万円、30万円、50万円の3タイプより選ぶことができる |
本人確認・ 在籍確認 |
・ローンの審査に関して、登録の電話や勤務先への電話は原則ない ※場合により連絡することもある ・同行に口座がある場合は本人確認書類や収入証明書などは必要ない |
セブン銀行カードローンの特徴は金利15%で50万円までの低額ローンを3つ用意しており、少額のお金を気軽に借りて気軽に返せるように設計されているところでしょう。また、本人確認や在籍確認のための電話を行わないといったプライバシーへの配慮も行われ、気軽に申し込めるローンになっているといえるでしょう。
ただし、利用限度額が低いため利用が限定されやすく、金利が銀行ではやや高めの設定になっている点には注意しておく必要があるでしょう。また、同行に預金などの口座がない場合は新たに口座を作る必要があり、その時に本人確認書類の提示が必要となります。
その口座開設には1週間ほどかかるため、カードローンの契約完了までに1~2週間ほどかかることもあるので急ぎの借入れには難しい面がありますね。
在籍確認で注意しておきたい点
最後に在籍確認に失敗しないための注意点を少しだけ取り上げておきます。今まで在籍確認を上手く済ませるための方法を確認してきましたが、在籍確認を安易に考えて取り組んでしまうとローンと契約できなくなることもあるのです。ここでは在籍確認で特に気を付けておきたい点を紹介していきましょう。
在籍確認のタイミングに注意!
在籍確認がいつ終わるかで借入れが可能となる日時が決まってくることが多いので、急いでいる場合は在籍確認の完了時期を意識した申し込みを考える必要もあります。
最近では審査時間が最短30分、融資までに1時間程度といったハイスピードの申込手続ができるローンも増えてきて、即日融資も珍しくなくなってきましたね。しかし、申込日や申込時刻を誤ると審査や審査結果が翌日(次の営業日)になることもあるわけです。
また、審査そのものが30分ほどで終わるとは限らず1時間以上やそれ以上かかることもよくあります。その結果、審査が合格していたとしてもその連絡が夜になればその日のうちに在籍確認ができなくなることもあるわけです。そのため急ぎの場合は特に申し込みを早めに済ますことが欠かせませんね。
「審査が最短30分!」とか「即日融資OK!」といった広告や案内が目に付きますが、あくまで条件が整った場合に実施できるのであって、誰にでもあてはまるものではないと考えておいたほうが無難でしょう。実際に可能な場合はもちろんあるでしょうが、それを見込んで借入れの予定を立てると大きく当てが外れ苦労することになるかもしれませんよ。
「在籍確認なし!」の広告に用心
大手消費者金融や銀行などのカードローンで「在籍確認なし!」といった広告宣伝をしていれば信頼して利用することができるでしょうが、名前を聞いたことのないようなローン事業者の場合にはよく確認した上でローンの利用を考えるべきです。
そうした事業者の中には闇金などの悪徳業者も存在しており、在籍確認なし、審査なし、低金利といった魅力的な条件を提示してローンの利用を勧誘していることもあります。しかし、そのローンの中身がお金を騙す目的のローンであったり、法定外の高利で貸付けるローンであったりすることもあるのです。
知名度のあるローンであってもその内容をよく確認することは当たり前の作業であり、ましてや聞いたことがないローンであればなおさら慎重なチェックを欠かすことはできないはずです。金事業者の登録だけでなく、連絡先、操業年数、ホームページなどを確認するとともに、口コミ情報などで事業の実態や評価をチェックするのもよいでしょう。
とにかくおいしい話には直ぐに乗らないようにして営業実態をよく調べたうえで利用を考えてほしいですね。
要望どおりの電話とは限らない
前にローンによっては事前に相談すれば在籍確認での電話対応で要望を聞きいれてくれるという話をしましたが、100%と要望通りにいかないケースもあります。現在のカードローン業界では仮審査などを保証会社が担当し在籍確認もそこで行っているケースが少なくないようです。
つまり、在籍確認について相談したローン自身ではなく保証会社が在籍確認を実施しているケースもあるわけです。その場合ローンに依頼した電話対応の内容が保証会社に上手く伝わらず、その結果希望通りの在籍確認にならないことも十分に考えられるということです。
申請者は保証会社に直接依頼することができないので、相談に応じてくればローンの担当者に依頼した内容を守ってもらえるように念を押しておく必要があるでしょう。あまり強くいい過ぎるのは逆効果になるかもしれませんが、その依頼がとても重要であることがわかるように伝えたほうがよいでしょうね。