カードローン審査の緩い業者ってあるの?

法人の融資で審査の甘い中小消費者金融は信用できるのか?

事業を新規に経営するときにまっさきに必要になるのが、事業資金と言われるお金です。人を雇うにも、設備を購入するためにも、事業を展開する場所を確保するにも、とにかくお金がないと話になりません。

個人事業主として、ごくごく小さな事業を展開するのであれば、事業資金はそれほど必要にはなりませんが、法人としてある程度の規模の事業を興す場合は、まず確実に事業資金は必要になってきます。

事業資金の内訳は、簡単に分けると、人件費、設備費、雑費の3種類です。最初のうちに一番大きな出費になるのは、設備費でしょう。事業を行う土地を購入し、建物を建て、内装を整え、仕事で必要なものを買い揃える必要があります。

これらを全て、個人資産から賄うことはほとんどの人ができないでしょう。ある程度の法人を作る場合は、数百万円から数千万円のまとまったお金が必要になります。特に、一から土地と建物を用意する場合には、1000万円以上は確実にかかります。

さて、こうした莫大な費用を用意するにあたって、自分のお金だけではどうしようもないという時に利用するのが、金融機関の融資です。自分で用意できないのであれば、借りればいいということです。今回のテーマは、この融資についてです。

法人向けの融資とは何か

事業を初めて興す時に融資が必要になるということですが、融資とは具体的にどういうことをするのかについて、金融に詳しくない人でもわかるように、簡単に解説していきましょう。

まず、基礎的な用語についてです。「事業者」というのは、これから新しく法人を作って事業を行う人のことです。法人とは、会社のことであり、通常は有限会社を指します。有限会社で有名なのは、株式会社などです。

ここでは、簡単にするために、資産500万円を持っている事業者が、新しく事業を始めるという設定で解説していきます。事業規模は中程度、新規に土地を購入し、建物を建て、人を雇って会社を作ることを想定します。

融資の際に必要なもの

まず、事業者は融資を申込む際に必要なものを作る必要があります。「事業計画書」というものです。これは、自分がこれからどんなことをするために会社を作り、どうやって利益を上げるのかを計画した書類のことです。建物で言えば、設計図に当たるものです。

事業計画書がないと、融資を行う側の金融業者は、この人が何をするのかわからないということになり、お金を貸しにくくなってしまいます。事業計画書は、決まった形式というものはありませんが、必須項目として、必要資金額、用途、目的、利益の出し方が求められます。

事業計画書の作成ができたら、実際に金融業者に行って、事業融資を申込みます。事業融資は、個人の借り入れとは大きく違います。個人の借り入れは、求められるのが、定期的な収入があるかですが、事業融資で重要になるのは、如何に会社として生き残るかです。

融資を申し込むと、金融業者はその計画書をチェックして、内容が問題なければ、事業者に対してお金を貸してくれます。一般的には、上述した必要項目の内容に妥当性が有り、融資分を含めた事業資産における自己資本比率が高いほど、融資が簡単になります。

金融業者が考えるリスク

自己資本比率というのは、新しく事業を始める時の用意したお金の全額に対して、自分の資産がどのくらいあるかということです。今回の例で言えば、例えば、1500万円を借りる予定で事業資金が2000万円の場合、自己資本比率は25%ということになります。

金融業者から融資がしやすくなる自己資本比率は諸説ありますが、最低でも20%、理想的には35%以上が自分の資金であることが望ましいです。借り入れをするときに金融業者が最も目をつけるのが、この自己資本比率とも言われています。

金融業者が事業者にお金を融資するときに一番避けたいのが、事業がうまくいかずに倒産し、破産手続きもしくは自己破産されることです。これを避けるためには、事業計画書を提出され、審査をしている時点で、倒産しないかどうかを見極める必要があるのです。

そのため、金融業者の事業資金の融資の審査は、個人の借り入れよりもはるかに厳しい目で見られると考えることができます。さらに、借り入れ額も、個人の場合は、数十万から数百万程度ですが、法人の融資は、この10倍程度の額になるので、それも原因の一つです。

法人向けの融資の長所と短所

事業計画書をうまく作れず、法人の借り入れが難しいのであれば、個人の借り入れをしてしまえばいいのではないかと考える人もいるかもしれません。ここでは、法人向けの融資を利用する長所と短所について解説していきます。

まず、最初に知っておかなくてはいけないが、「個人向けに提供されている借り入れを事業資金に使うことはほとんどの金融業者で禁止されている」ということです。つまり、事業のために必要なお金の調達で、個人向けの借り入れを利用することはできないということです。

銀行や消費者金融のインターネットホームページから金融サービスの詳細を見ると、フリーローンなどの個人向けの借り入れの注釈部分に「※事業資金は除く」といった文章が見られると思います。つまり、あくまで個人が自分のために借り入れをするのが前提なのです。

では、法人向けの融資を利用するメリットとはなんなのでしょう。審査も厳しい上に、他に利用する手段のないのでは、面倒だと考えられても仕方がありません。しかし、法人向けの融資には、ちゃんと事業者の目的に合致したシステムになっているのです。

法人向けの融資は、当然のことですが、個人よりも借入金額が大幅に高いです。法人の融資で50万円未満の借り入れなどは非常に稀であり、たいていは数百万円規模の借り入れになります。それに合わせて、金利が非常に低く設定されているのが最大の特徴です。

新規事業の場合、開始からすぐに巨額の利益を出すことはよほど需要を掴んでいない限り、まず不可能です。事業開始から1~2年は赤字になるのが通例です。そんな時に、元金数百万円規模の金利の支払いというのは非常に大きな負担になってしまいます。

それを避けるため、法人向け融資の金利は、5%以内であることが多く、事業者が返済できなくなり破産する事を防いでいるのです。例えば、利益を上げようとして高い金利を貸したらどうなるでしょう?

おそらく、中には初期の立ち上がりで失敗して倒産する企業も出てくるでしょう。そうなれば、金利で利益を出すことは愚か、破産されたら元金を回収することもできなくなってしまいます。こうしたことにならないように、法人向け融資には配慮がなされているのです。

個人の破産に比べて、企業の破産はその金額規模も非常に大きくなることが多く、お金を融資した金融業者の損害もそれに伴って大きくなるのです。貸金業者にとって企業融資の失敗は、自社の経営に影響を与えるほどの大事になるのです。

審査が甘い法人融資は信用性とは

ここまでは、金融業者側に目線で述べることが多かったのですが、今回は、実際に借り入れをする事業者側の視点から考えてみます。

事業者は、これから始める事業によって必要になる融資額に差があります。簡単に言えば、規模が大きい事業になるほど必要になる資金の額も大きくなり、必然的に金融業者の審査が厳しくなることが予想されます。

そのため、一般的には、事業規模が大きくなるほど、求められる内容の重要度が上がり、より、綿密な計画と、展開予想が求められます。特に融資希望額が一千万円を超える場合には、長期的な利益をどうやって確保するかを厳しくチェックされます。

では、融資希望額があまり高くない場合は、審査の難易度はどう変わるのかという問題があります。例えば、個人事業としてやっていこうと考えている事業者がいるとします。個人事業の場合、重要になるのは、利益確保よりも自己資本比率です。

自己資本比率が高い個人事業主の融資は、新規事業の融資としては最も審査が緩いです。そのため、審査が甘いからといって、信用できない金融業者ということではありません。もちろん、事業計画書に不備があれば融資はできませんが、審査自体は甘いです。

個人事業主の審査が甘い理由は、融資希望額が低いことだけではなく、事業規模がそれほど大掛かりにならないことも理由の一つです。設備投資額も少ないので、景気や金利の影響を受けにくく、債務者としては、それなりに信用性が高いと判断されるためです。

これが大規模の事業者相手だと全く話が変わってきてしまいます。大規模の事業者に求められるのは、とにかく長期的に利益を確保できる事業に成長する見込みがあるかということです。融資額が多いということは、返済が完了するのに時間がかかることでもあります。

当然ですが、審査は厳しくなります。大規模の融資で簡単に審査が完了することはまずないと言っていいでしょう。どんなに事業計画書が優れていても、融資金額が大きい場合には、すぐに貸してくれるような金融業者は、逆に疑うぐらいの気持ちが必要です。

金融業者はどうやって選ぶべきか

さて、実際問題として、非常に多くの金融業者(銀行、消費者金融、信用金庫、政府の機関)などから融資をしたい場合は、どうやって候補を選べばいいのでしょうか?
(⇒審査の緩い金融会社の選び方を教えて!

まず、候補を選択するときに重要なのが、それぞれの金融業者が得意としている対象を理解することです。金融業者には、それぞれ、自分の得意とする客層のターゲットが存在します。

例えば、A銀行は、個人の少額借り入れで金利が低いサービスを提供しているだとか、消費者金融Bは1000万円以上の高額融資や住宅ローンに対してのサービスが充実しているといった「得意分野」があるのです。それを見極めるのが最重要です。

債務者と債権者は立場として債権者の方が強いと考えられがちですが、実際は対等な関係です。つまり、債務者としても債権者を選ぶ権利があるのです。一番いいのは、お互いの利害が一致することです。

債務者としては、債権者が一番強みをアピールしている部分に、自分の目的が一致している融資を希望するのが、最も合理的な選択になります。また、そうした方が、債務者にとって審査が有利に進みます。審査が甘いという情報だけで金融業者を選ぶのは避けましょう。

【参考ページはこちら】
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