カードローンの金利引き下げを相談するタイミングと基本手順
カードローンを長く利用していると、利用状況によっては金利の引き下げをしてくれるものがあります。また、限度額の増額によって金利も引き下げになる可能性があります。
できるなら金利は低い方がいいですよね?では、銀行や消費者金融が金利の引き下げをしてくれるケースとはどういうものなのでしょうか。また、銀行と消費者金融との間に差はあるのでしょうか。
銀行と消費者金融の温度差
カードローンの主な取扱い企業は、銀行等の金融機関と消費者金融等のノンバンクです。消費者金融の事を「金融機関」だと認識されている人も多いようですが、消費者金融や信販会社は「ノンバンク=金融機関ではない」点を、まずは理解しておきましょう。
(⇒審査が緩いカードローンを利用できる金融会社は?)
貸付側から見た金利の重要度
金融機関(以下、銀行等と記します)とノンバンク(以下、消費者金融等と記します)では、金利面での顧客サービスに温度差がある事をご存知でしょうか。契約時の金利差については、各社の公式サイトを見ればすぐに解りますが、「金利の引き下げ」は殆どのカードローン案内に記載がありません。
金融情勢の変化による金利の見直しは別として、長期間問題を起こす事なく利用してきた事での金利の優遇(引き下げ)は、銀行等と消費者金融等で温度差があります。その主な要因として考えられるのは…
- 経営における利息収入の重要度が違う
- 利用者数の多い少ないに開きがある。
- 上2点の違いから、金利の引き下げの積極度が違う
ご存知の通り、銀行等はカードローンの利息収入だけで経営をしている訳ではありません。顧客から預かったお金を運用して利益を出し、預金利息として顧客に還元する業務の方がメインの企業です。
それに対して消費者金融等はメイン業務が顧客への融資で、その利息収入が経営を大きく左右する企業です。最近は銀行カードローンの保証会社として収入を挙げている大手消費者金融等もありますが、基本はあくまでも融資による利息収入での業績が重要視されます。
金利を下げる事の重大さが違う
ここまでお話すれば大方の予想はつくでしょうが、金利を簡単に引き下げる事が出来るか否かは、その企業の経営で、顧客一人当たりの利息収入がどれだけのウェイトを占めているかがカギになります。と、言うことは…、
「銀行等のカードローンは引き下げをしてもらいやすく、消費者金融等は経営規模が小さくなるにつれて引き下げが難しくなる」事がお解り頂けるでしょう。では、ここからはどの様に立ち回ると金利の引き下げを実現させられるかについて、いくつかの方法を考えていきましょう。
銀行カードローンは意外と簡単?
まずは比較的簡単に引き下げを実現してくれそうな、銀行等のカードローンから。先に触れたように、銀行等はカードローン以外にも多くの業務で利益を得る企業です。その利益は、カードローン利用者も金利の引き下げという形で恩恵を受ける事ができます。(こちらもご参考に→銀行カードローンの審査が通らない場合はどうしたらいい?)
基本は銀行からの連絡待ち
銀行等のカードローンは、半年から一年の間に問題を起こさず利用していれば、銀行の方から案内の電話やメールで連絡をしてくるのが基本です。ここで言う「問題」とは、下の枠に挙げる項目があります。
- 返済期日を守らなかった
- 新たに他社から借り入れをした
- 銀行等からの連絡(特に携帯への着信)をスルーした
返済の遅れは、一日や二日なら許される所と、一日でも遅れてはいけないという所があるので、できる事なら「うっかりミス」もしない様に心がけたいものですね。勿論、その銀行に対してだけでなく、他の支払いも同様です。昔から『壁に耳あり障子に目あり』と言います。支払い遅れを発見される可能性は沢山ありますから、油断は禁物ですよ。
他から新たな借り入れをしたというのは、貸す側にとってはリスクとなる事柄です。金利の引き下げはおろか、限度額の減額という予期せぬ事態になる事も十分考えられますから、新たな借り入れは慎重な検討が必要です。
勿体無いのが、普段の利用は問題ないのに、銀行からの案内電話をスルーしているケースです。利用者からすれば「必要無い案内をスルーして何が悪い」と考えるかもしれません。しかし、貸し手からするとある意味「音信不通」な顧客でもあるわけです。貸し手の心理としては決していいものではありませんよね?
自分から申請する事は可能か
先にも書いた通り、銀行からの案内が基本となる金利の引き下げですが、半年経っても一年経っても音沙汰なしの場合は、自分から申請しても良いものなのでしょうか?
上でご紹介した「問題」がないならば、申請ではなく「相談」という形でのアプローチが有効でしょう。下手に申請した場合、最悪限度額引き下げというしっぺ返しを食らう事にもなりかねませんから、あくまでも「相談」の形で問い合わせしてみる事をお勧めします。
消費者金融等は引き下げ困難?
では、消費者金融等で契約しているカードローンはどうでしょうか。最初の方で、「経営規模が小さくなるにつれて、金利の引き下げは難しくなる」と書きましたが、絶対に不可能という訳ではありません。貸し手にとっても金利の引き下げが優良顧客の安定確保につながるのであれば、サービスの一環として行なわれることもあります。
そもそもカードローンを扱っている消費者金融等のノンバンクは、業界内でも大手か準大手が殆どです。つまり、比較的経営の安定した企業によるものであると考えることができます。
王道は「相手からの連絡待ち」
銀行等と同じく、消費者金融等のカードローンも貸し手からの案内が来るのを待つのが王道です。取り扱っているのが大手や準大手ですから、公式サイト内での会員専用ページで案内をしている所もありますし、メールや電話での案内をしている所もあります。
もし、この条件をクリアしていても案内が来ない場合は、やはり一般論としての「相談」で、そのカードローンが金利の引き下げ自体を行なっているのかチェックする所から切り込んでみましょう。いきなり「私の金利、低くならないの?」と打診するよりは安全な方法ですよ。
限度額次第で金利も下がる!?
ここまでは、「限度額を変えず、金利だけを引き下げてもらう方法」についての安全な方法を書いてきましたが、より積極的に金利の引き下げを実現させる、ちょっと冒険になる方法もご紹介しておきましょう。ただし、基本的な知識を持っていないと、逆効果になるのでご注意を。
限度額が金利上限を超えると?
カードローンには、必ず「限度額」が存在します。そして、一部を除き、金利はその限度額によって決められています。さらに、金利条件によっては限度額が増えることにより、自動的に引き下げをしなければいけなくなるものも存在します。まずは、その基礎知識から解説しましょう。
銀行であれ消費者金融であれ、金利は法律の上限を守らなければいけません。その法律の上限を知っているのといないのとでは、これからお話しする立ち回り方ができるかさえ解りませんので、まずはこの点をしっかりと把握して下さい。
- 10万円未満のときは年20%まで
- 10万円以上100万円未満のときは年18%まで
- 100万円以上のときは年15%まで
因みに、これは「利息制限法」という法律の第1条に記載されています。そして、そこでは超過部分は無効になるとも明記されています。つまり、カードローンの限度額が3段階の境目をまたぐ増額となった場合には、金利も自動的に法定金利の上限以下に引き下げなければいけない訳です。
金融機関の平均的な金利
銀行等金融機関のカードローンでは、多くが最高金利を14%台に設定しています。また、限度額の範囲によって、段階的に金利の引き下げを行なっている所も沢山あります。限度額30万円の場合は14.6%でも、50万円だと12.6%になるような所もあるくらいです。
中には法定金利の上限に設定している銀行も存在していますが、それはごく少数と考えて構いません。金融機関のカードローンの場合は、限度額に応じて金利がどのように変化するのかを公式ホームページで確認してみる所から始めましょう。
ノンバンクの平均的な金利
一方、消費者金融等のノンバンクが提供しているカードローンは、100万円未満の金利が17%台と、法律の上限に近いものが多く、銀行等とは約3%前後の差があります。先に紹介した「経営において利息収入がどれだけ重要か」を表しているのが、ここでお解りいただけるでしょう。
さて、ここからが本題です。複数の消費者金融等から年17%台で合計100万円以上の限度額を契約している場合、それをひとつのカードローンにすることができれば、最高でも15%まで金利が引き下げになります。
有利な条件のものにまとめる効果
限度額が100万円以上になると、同じ50万円を借りたとしても年利15%で利用ができる。ひとつにまとめた方が有利であることはこれだけでも十分でしょう。後は自分に一番有利な条件のカードローンでそれができるかです。
リスクを背負わない方法
この「まとめる」という方法は、当然審査を受ける必要があり、消費者金融等で50万円を超える契約をする場合は収入証明書類の提出も必須となります。ここで審査に通れば万々歳なのですが、審査に通らなかった時、限度額が減額になる可能性もあると理解しておかなければいけません。
そのリスクを回避しながら審査に持ち込む方法は、やはりいきなり申込むのではなく、「相談」の形から入っていくのが理想です。銀行にしても消費者金融にしても「貸しどきと貸し控えどき」があります。ごく稀に電話で増額の打診をしてくる事があったかと思えば、何故だか知らないが限度額が引き下げられていたりする業界です。
限度額を下げられたくはないが、金利を引き下げてもらうチャンスとして申し込みをしてみたいという方は、最初にそのカードローンは増額や他社分の乗り換えが可能かという一般論からスタートし、話の流れや雰囲気から「申し込みどきか保留すべきか」を選択すると良いでしょう。
【参考ページはこちら】
審査の緩い銀行カードローンを利用するには